リスト 「ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲」(巡礼の年 第2年「イタリア」S.161より)
- グレムザー(Koch Schwann<90>)(15:45)◎-○ ジャケット→
技巧のキレが鋭く、何といってもスピード感がある。
特にこの曲の技術的ポイントの一つ(だと私が勝手に思っている)の、オクターヴで3度ずつ駆け上がるところは(やや軽めなタッチながら)非常に余裕を感じる。
逆に第2主題部分(緩徐部分)は遅めのテンポで声高にならず、静かに歌う感じだが、表現がやや淡白なのでもう少し工夫や小細工してもよいかも。
全体的に音がやや軽めなため、重厚さや響きの豊かさの面で多少不満が残るところもあるが、個人的には最もよく聴く盤の一つ。
- ロルティ(Chandos<90>)(15:56)◎-○
序奏や第1主題の前半などは小さめの音でおとなしく、一聴するとスケールや迫力に乏しい感じもするが、ここぞというところではかなりの技巧の冴えを見せる。
特にコーダのPresto部分はスピード感といいタッチといいキレといい(個人的には)理想的と言える。
能ある鷹は爪を隠すというか、奥ゆかしい。
静の部分が多く、その分動の部分の対比がうまく出ていると言おうか。
緩徐部分の歌い方も音色をよく吟味しており、この曲の宗教性・精神性がうまく出ている。格調が高い。
- オフチニコフ(Gold Club<2001>)(19:11)◎-○
この曲は指が速く回るとかオクターヴが速いとかだけでは駄目で、何より音(響き)が充実していることを重要だと思っているが、その点では最上級に位置する演奏。
もちろん力任せにガンガン鳴らす(音コンなどではありがち)のではなく、常に美しく響かせている。
その分(と言ってはなんだが)、オクターヴで駆け上るところやコーダのスピード感など技巧のキレについては多少物足りない面もあるが、それでも標準以上であろう。
演奏時間はかなり長め(手持ちの中では最長)で、冒頭の序奏部などは「間」も十分に取られている。
ただ急速部分については普通のテンポで、解釈も正統派的である。
緩徐部分はかなり遅めのテンポであるが、1音1音を慈しむように美しく歌っており、退屈させない。
- ティボーデ(Denon<84>)(13:54)○-◎
手持ちのCDの中では最短時間のダンテソナタ。
第1主題部分(急速部分)も速いが、第2主題部分に入ってもあまり感傷にひたらずどんどん先に進む。これだけ思い入れなく素っ気なく弾かれるとかえってすがすがしい。スポーツ感覚とでも言おうか。技巧的にもキレがあり音色もひたすら明晰。しかも(微妙な陰影などは少ないものの)音に張りと輝きがあるのがよいところ(録音がいい)。
もっとも宗教性とか崇高さを求めようとする人には向いてないだろうが。
- 松本和将(Cambria<97>L)(16:07)○-◎
'97年キエフ国際(ホロヴィッツ記念)ピアノコンクールライヴ。
ライヴだけに瑕は多少(というか結構)あるが、それを補って余りあるような音楽的な充実感がある。
特に音(和音)の響きが非常に充実している(この曲は単なるメカニックよりもそちらの方が重要かも)。解釈は非常に正統的。
緩徐部分も停滞せず、素っ気なくもならず、歌心に満ちている。
最後のAllegor vivaceとPrestoのところはもう少しスピードを高めて畳み掛けて欲しかったが、それでも音コンのときほど安全運転になっていない(そのせいか跳躍部分ではちょっとミスっているが)。
ちなみにこのとき彼はグループII(16-18歳の部)で第3位。
- ガヴリリュク(Sacrambow<2003>)(16:06)○-◎
音は美しく、技巧も優れ、解釈も正統的、まさに模範的演奏とも言えるのだが、個人的には何かもうひとつ物足りない感じがする。(その意味ではアンスネス盤に通じるところがある。)
ひとことで言えば個性あるいは他盤では聴けない特徴ということだが、「この部分を聴きたいがためにこの盤を取り出す」みたいなところが少ないのかもしれない。(平均点をとれば最高だが、一番の項目は1つもないと言ったらキツい言い方か。)
強いて言えば音色の変化(深み)が多少欠けるかもしれない。
あと最後のPresto部分はもう少し躍動感があってもよかったか。
それでも優れた演奏であることは間違いなく、癖のないことから初めての人に一番お薦めできる盤かも。
- アンスネス(EMI<99>)(15:58)○-◎
技術的に非常に高いレベルにあり、解釈的にも正統的。
ただ第1主題の急速部ではもう少しタメやアクセントをつけてもよいと思う(テンポは速いがひっかかりなく流れすぎの感じのところもある)。
緩徐部分も動きが停滞することなく、歌い方が自然でスッと入ってくる。
全体的に欠点が少なく、模範的演奏と言えるが、個人的にはもう少し技巧的な「エグさ」やこだわりのある解釈のようなものを見せて欲しい気もして(それだけのテクを持っているはず)、そこらへんがやや食い足りない感じもある。
- マツーエフ(Sacrambow<98>)(16:19)○-◎
とにかくスケールがデカいというかダイナミック。提示部はそれでもやや抑え気味(?)だが、展開部以降での連続オクターブはまさに怒涛の迫力。その分細かいところの磨きやアーティキュレーションはもう一工夫の余地はありそう。例えばコーダのPresto跳躍部分はその直前のAllegro vivaceの部分と変化をつけて(pなんだから)もう少しleggieroさが欲しいところ(これは浜松コンでも思ったこと)。全体的に知的な面はあまり感じられないが、ここまで豪快にやってくれると(意外とそういう演奏が少ないだけに)理屈抜きで楽しめる。
- チュウ(HMF<2000>)(15:33)○
序奏部分が少し弱々しいのはいまひとつだが、主部に入ってからはチュウらしい技巧のキレが割と出ている。
しかしそれよりも解釈(特にアゴーギク)が面白い。
普通はタメを作ったりあるいは加速したりするところをそうしないでインテンポで行くところがあって、意外性がある。
特に最後のAllegroやPresto部分をインテンポで進むところは最初に聴いたときは、ちょっと笑ってしまった(やっている本人は大真面目なんだろうけど。ちなみに併録のタランテラにもそんなところがある)。
よく言えば慣習的な解釈に囚われないというところか(そういう意味ではグールドの演奏を聴くような面白さがあると言えるかも)。
- ジルベルシュタイン(DG<90>)(19:00)○
かなりゆっくりした演奏(手元のCDの中ではオフチニコフ盤に次いで長い演奏時間)だが、重厚さ・迫力があるのであまり弛緩を感じない。特に低音が充実しており、腹に響く感じ。(もっとスピード感が欲しいところももちろんあるが)彼女はどちらかというと指回りの素速さより力強さで勝負するタイプ(と言っては言い過ぎかな)なのでこのやり方は合っていそう。死ぬより辛い地獄の情景を一番感じるのはこの演奏かもしれない。
- A.パール(Arte Nova<2000>)(16:56)○
解釈は正統的、テクニックもまずまず、音も悪くない。積極的にケチをつけるところはほとんどない。模範演奏タイプ。
強いて言えば全体的にもう少しスピード感と音色の変化が欲しいか。あと個人的には最後のPrestoはもう少しキレをよくしたい。
他の盤にはないこの盤だけの特長、魅力のようなものがあればよいのだが、全体的に少し食い足りなさが残る。
- マルシェフ(danacord<99>)(17:48)○-△
冒頭から前半部分(第1主題)までは間を十分にとり、落ち着いたテンポながら音に輝きがあってきれいに響く。全体的に丁寧・堅実で1音1音を大事にしている感じで好感が持てる。
(個人的にはもう少しスピード感を重視してアチェレランドしてほしいところもあるが。)
緩徐部分(第2主題)もかなりゆったりしたテンポをとるが、起伏はそれほど大きくとらなず、ちょっと真面目すぎる感じもある。
残念なのは終盤の追い込みというか盛り上げがもうひとつなところ。
特にコーダのAllegro vivaceのところのスピードがあまり上がらず、テクニシャンのマルシェフにしてはちょっとおとなしいというか肩透かしを食わされた感じ。
- M.アンダーソン(Nimbus<93>)(17:43)○-△
音の充実ぶりはオフチニコフ盤に匹敵し、特に序奏部の音の出し方などは理想的とも言える(実際のところ、個人的にはこの部分の音が汚かったりすると後はあまり聴く気がしなくなる)のだが、惜しむらくはメカニックのキレがもうひとつの部分があること(主に急速部)。
オクターヴで駆け上がる部分など、ちょっともっさりしているし、コーダの畳み掛けももう一段の迫力・スピード感が欲しいところ。
また緩徐部分もちょっと大人しく、もう少し甘くたっぷりと歌ってもよいように思える。
- ティベルキアン(REM<98>L)(16:17)○-△
'98ロン・ティボーコンクールライヴ。
ライヴらしい迫力と熱気に溢れた演奏。急速部でのスピード感もなかなかのもので、ダイナミックさはマツーエフ盤にもひけをとらない(表現が多少芝居がかっているという感じもするが)。
特にコーダのAllegro vivaceでの畳み掛けるようなアチェレランドは(ライヴであることを思うと)手に汗握るような緊迫感がある。
録音がイマイチなせいか音が大味というかボケ気味なのが残念。
全体的に多少傷はあるがそれもしかたないだろう。
終わった直後の聴衆の熱狂的な歓声もわかる(ちなみに彼はこのとき1位)。
- プレトニョフ(DG<97>)(17:39)○-△
序奏部はかなり遅いテンポでややもったいぶっている感じ。主部は普通のテンポに戻るが、スピード感とは無縁で、畳み掛ける感じがないというか、何か力が入ってない感じ。その意味でプレトニョフらしい技巧のキレは見られない。が、緩徐部に入ってからは彼の持ち味が出ている。1音1音よく考えており、特にAdagioに入ってからの左手のバスを浮き立たせるのはハッとさせられる。その他にも各所に凝った表現があって、眼の覚めるような技巧を期待して聴くと肩透かしを喰うかもしれないが、音楽的には見るべき(聴くべき)ものがありそう。
正統的な解釈とは言いがたいので最初に聴く一枚に推すには憚れるが。
- Soerjadi(Philips<91>)(16:02)○-△
第1主題部分のアクセントの置き方など解釈的に少し疑問なところもあるが、技術的にまずまずキレがあって悪くない演奏。
全体的にスピード感があり、終盤の追い込みが印象的。
特にコーダのAllegro vivaceの部分は最高速かと思えるほど速い。
ただ、その後のPresto跳躍部分が逆にちょっとスローテンポになるのが惜しい(少し間が抜けている)。
最後のバスのトレモロを強調するなど個性的な表現もある。
- A.コーエン(Carlton<89>)(16:33)○-△
技術的にはまずまず、適度な力強さもあり、オーソドックスの極みかも。
コーダのスピード感も悪くない(特にPresto跳躍部分)し、緩徐部分でバスの浮き立たせる工夫もある。
ただオクターヴの上昇音型がひきずる感じでやや重い。
全体的に悪くはないが、もうひとつ決め手というか特徴に欠けるというのが正直なところ。
また録音のせいか、音にやや透明感がないのが惜しい。
- モチャーリ(Hungaroton<91>)(17:08)○-△
全体的にオーソドックス。
第1主題部分の速いところはスピード感があり、打鍵も力強いが、展開部のオクターヴ上昇音型はもっと一気に駆け上っていく感じが欲しかった。
第2主題部分はテンポがぐっと落ち、かつ単調でやや退屈。
コーダのAllegro vivaceはもう一歩加速しきれていない感じ。
他の魅力ある競合盤と伍していくには技巧的な面でもう一歩突き抜けたところが欲しいところ。
- ネボルシン(Decca<93>)(14:55)○-△
オクターブで駆け上がる音型などスピード感があり技術的なレベルも高いのだが、ときどき(力が抜けたように)音が弱いのが惜しい。
たとえば序奏のpiu mossoの部分の最初のオクターブなど、f指定にしては小さ目で(音はきれいだが)あまり好きではない。
(ここは目が醒めるように鳴らして欲しいところ。他盤でも結構そういうのが多いが。)
また録音のせいか全体的に音が軽い(というか芯から鳴っていない感じ)。悪く言えば小手先で弾いている感じ。
最後のAllegro vivaceとprestoももう少し加速して畳み掛けたかった。
- ハフ(Virgin<90>)(16:00)○-△
基本的には悪くないが、ハフにしては技巧の冴えがそれほど見られない(こちらが期待しすぎか…)。
録音のせいか音がややモコモコしているのも一因か。
特にオクターヴの上昇では少しモッサリしている。よく言えば落ち着きのある演奏だけど、悪く言えばやや微温的。
最初のリストアルバム(<87>)では技巧的キレを見せつけていたのに対し、ダンテソナタでは内面性を重視しているのかもしれないが、ここぞというところでは洗練された技巧を見せて欲しかった。
- A.Barbosa(Connoiseur Society<93>)(16:33)○-△
1音1音をよく吟味しており、音楽的な充実が感じられる(松本和将盤に通じるような魅力が―彼ほどではないが―ある)。
緩徐部分はかなりアゴーギクをつけてたっぷり歌っているが、歌い方にセンスが感じられるので違和感はない。
ただ急速部などで、ここぞという和音の前に少しタメを作る傾向があるので、そこが少し気になる(やや流れが阻害される感じ)。
技巧的(メカニック)にも特に秀でているというわけではないので、そこが物足りないといえば物足りないか。
- ゲキチ(Victor<89>)(17:34)○-△
デビュー間もない頃(髪もまだ短くて初々しい)の演奏のせいか、ゲキチらしい強い個性はあまり出ておらず、テクではらしさを見せるものの、曲の完成度という点ではもっと高められるのではないかと(こちらが勝手に)思ってしまう。
録音のせいか音が硬く、そこが「青さ」を感じさせる一因かも(先入観に満ちているかな…)。
- ゲキチ(Palexa<99>L)(17:45)○-△
'89年のスタジオ録音盤よりも曲の掘り下げが一段と深くなっている感じ。
1音1音に対して研ぎ澄まされた神経を使っていることが伝わってくる。
緩急の幅も大きく、特定の音と強調したり、意外性のあるアーティキュレーションを多用したり、例によって非常に主観的な演奏。
個性的という点では一番かもしれない。
ただ、確かにこれを生で聴いたら感動したかもしれないが、まったくの部外者が冷静に聴くと多少ついていけないところもある。
聴く者とのシンクロを必要とする演奏かもしれない(宗教がかった演奏?)。
編集は一切していないと断り書きがあるが、確かに瑕もやや目立つ。
- ルバッキーテ(Lyrinx<97>)(16:12)△-○
随所に個性的な表現・解釈を見せる。
ただし十分に推敲したというよりは感性に従ったという感じ。
アゴーギクに少し癖があって、粘るような、かと思ったら急に走り出すような感じがあり、やや恣意的というかケレン味がかった表現と言えなくもない。
(思わず吹き出しそうになるところもあり、コンクールあたりでやったら危なそう(笑)。)
緩徐部分では(プレトニョフなどと同様)バスを浮き立たせたりしてなかなか工夫をしている。
- Dichamp(Lyrinx<98>)(17:17)△-○
アゴーギクがかなり自由で、急速部分では思い切り加速したり、畳み掛ける感じがあってなかなか迫力がある。
緩徐部分でも緩急の付け方に意外性があって、多少癖があるものの飽きさせない。
ただこの盤もやはりコーダでの技巧のキレがもうひとつ物足りない。
特にコーダのPresto(跳躍)部分が少し動きがにぶいのが残念(ちょっと逃げを打っている感じ)。
あと細かいことだが演奏者の呼吸音が少し気になる。
- クズミン(Melodiya>)(18:56)△
冒頭の音はなかなか充実していてよいのだが、piu mossoのところはやや乱暴すぎる(もう少し澄んだ、かつよく通る音でいきたい)。
主部に入ると、個人的な思い入れがあるのか各フレーズに何か力(アクセント)が入りすぎて、スピード感が犠牲になっている感じがする。
オクターヴで駆け上がるところも、彼ほどのテクニックの持ち主ならばもっとドライブ感を出せるはずだと思うが、少し腰が重い。
コーダのAllegro vivaceとPresto部も技術的にはやや平凡な感じ。
あとMelodiyaの録音にはありがちだが、音が少しキンキンしているところがある。
- Bresciani(Dynamics<92>)(18:46)△
演奏時間こそジルベルシュタイン盤などより少し短いものの、体感速度的には最も遅い盤ではないか。
ジルベルシュタイン盤などは急速部分ではそれなりに加速するのに比べ、こちらは急速部分も緩徐部分も一応に遅いからで、いわば緩急のメリハリが少ない(P.スパーダの演奏を少し思い出させる)。
それはそれでマッタリしていて味があるのかもしれないが、それならば音色などもう少し工夫が欲しい気もする。
ただ一様な遅さが幸いしてかテクニック的な粗が出にくくなっている面はあるかもしれない(無理して速度を上げたために苦しさが出る、ということが少ない)。
- ベルマン(DG<77>)(16:59)△
速い部分は速いのだが、全体的には何かリズムが重く、躍動感に乏しい。
ここぞという畳み込むようなところでアチェレランドせずに逆にテンポを落とすようなところがあるからか。
特に最後のAllegro vivaceの直前の部分などはちょっと遅すぎ。
技巧的にもベルマンらしい豪快なところは感じられない。
- ダグラス(VAI Audio<85>L)(17:50)△
'85クライバーンコンクールライヴ。緩徐部分はかなりスローテンポだが結構歌っている。彼はどちらかというと根がロマンティックなようである。表現の振幅が大きいのだが、タメを作り過ぎるというか素直にスピードが上がらない(特に再現部)のがイマイチ。コーダのAllegroもちょっとテンポ遅すぎ。傷もやや目立つ。聴衆は「ブラボー」の嵐であるが(ちなみにこのときは第3位)。
- オグドン(Testament<61>)(17:03)△
オグドンらしい、崩壊寸前まで突っ走るところがあるかと思いきや、意外に普通というかむしろ大人しい。
そうなると、技巧的にも音楽的にも特に見るべきものはないだけに逆に細部のアラが目立ってしまう。
アゴーギクが不自然なところがあるし(リズムが不正確?)、タッチも(録音がイマイチのせいもあるだろうが)やや均質さを欠く。
音が抜けているのでは?と思うところもある。全体的にどうも雑な感じがつきまとう。
- ブレンデル(Vox<58>)(15:57)△
録音が古いので音がキンキン、シャリシャリしている。途中まではそれほど悪くなかったが、クライマックスである最後Allegro vivace(とそれに続くPresto)のところでは(技術的限界からか)テンポが上がらず(むしろ下がる印象)、盛り上がらないこと甚だしい。
- ワイルド(Ivory Classics<85>)(15:58)△
音の美しさがもうひとつ。無造作に叩いている感じがする。タッチが洗練されていないというか、もう少し滑らかかつ1音1音に神経を使って欲しいところ。
('85年録音にしては音質がイマイチなので、そのせいもあるかもしれないが。)
割と間を入れずに弾き進めるので、弾き急いでいる(弾き飛ばす)ような印象も受ける。
技術的にも特に見るべき(ヴィルトゥオーゾタイプらしい)ところはない。
- バレンボイム(DG<85>)(16:24)△
録音のせいなのか、音が軽いというかカンカンとした感じがして、この曲ではまずそこが痛い。
(音を短く切るようなタッチを多用していることも相まって、弱い音などは小手先で弾いているような印象を受ける。)
またフレーズに変にタメを作ったり、あるいは思わぬところで加速したりと、フレージングがちょっと妙。
コーダのAllegro vivaceのところは叩きつけるようなアクセントをつけたりして違和感バリバリである。
未記入盤
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