リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」Op.35(4手ピアノ版)
- Malferrari & Mazzoli(Nuova Era<94>)(8:35/11:02/8:39/12:14)○-◎
ジャケット→
細部でややアバウトなところは見受けられるが、原曲の雰囲気はよく伝わってくる。
歌心があるし、音色の変化の点でGlodstone盤よりもコクが感じられる。
たとえば第1部の第96小節、原曲ではソロのVn.とFl.の対比がある部分、連弾譜には指示はないのだが微妙にデュナーミクを変えて音色の変化を感じさせる。
逆に欠点は技術的な面でややツメが甘いというか、仕上げが粗いところがあること。
特に第4部は技術面で最も難度が高いだけにちょっと不満が残る(特に第1部の海のテーマが戻ってくるクライマックス部の直前の同音連打のところはリズム的に苦しい)。
第3部の同音連打やスケールもGoldstone盤と比べると安定感に欠ける。
- Gloldstone & Clemmow(Amphion<94>)(9:43/10:38/9:14/12:05)○-◎
Malferrari盤に比べて細部までキッチリ弾けている。特にリズムが正確。
ただ正確過ぎてどこか杓子定規な印象を受ける(特にアゴーギグ)。
冷静すぎると言うか、たとえば第1部での大波のうねるような感じや第2部後半での緊張感・切迫感のようなものがあまり感じられない。
また録音のせいか音がやや硬く、音色も単色気味。
(オケのような音色の変化はもちろん望むべくもないが、それでももう少し変化をつけて欲しい気がする。)
それでもメカニカルな安定感は魅力で、特に第4部はMalferrari盤がすっきりしないだけに、細部まで誤魔化しがないのは聴いていて気持ちがよい。
- Ferhan & Herzan Oender(EMI<2003>)(9:00/11:23/9:02/13:17)△-○
Malferrari盤よりもさらに自由というか(悪く言えば)恣意的な演奏。
テンポを揺らしたり、フレーズの最初でタメを入れたり、結構違和感を感じるところもある(オケ版でもそんなにアゴーギグはつけないのに…)。
原曲の雰囲気を出す(?)ために楽譜に改変を加えているところもあり、たとえばMalferrari盤で言及した第96小節のところはFl.の部分だけ1オクターヴ高くして変化を付けている。
技術的にもGoldstone盤と比べるとやはりもうひとつで、第2部の後半はちょっとモッサリしているし、第4部もクライマックス直前はやはり苦しい。
未記入盤
- Pizarro & Panomariovaite(LINN<2006>)(11:18/11:24/10:32/13:14)(ブログ記事)
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