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10. CHO Seong-Jin
西村朗:白昼夢 Chopin: Op.10-1 Liszt: 超絶技巧練習曲第10番 Schumann: 幻想小曲集1次の熱情ソナタで強烈な印象を残した15歳である。
85. Krzysztof TRAZASKOWSKI
Chopin: Op.25-10 Rachmaninov: Op.33-5 Chopin: バラード第4番 西村朗:白昼夢 Liszt: メフィストワルツ第1番この人も1次では名前を挙げなかった人である。
92. YE Sijing
西村朗:白昼夢 Liszt: 超絶技巧練習曲第12番 Chopin: Op.10-8 Chopin: 前奏曲Op.28-13〜24Lisztは曲のツボは押さえているのだが、ややミスが散見されるのが残念。特に最後の方でミスが重なったのは痛い。 でも技術的ポテンシャルはありそう。 Chopinの10-8もオーソドックスな演奏。もう少し起伏というか表情をつけてもよいか。 前奏曲集も基本は悪くないが、音がクリアな反面やや硬い。 そのせいかフォルテ和音になると多少キツイ感じになる。 ちょっと打鍵が力みすぎになったり(16番の冒頭など)、ときどき何でもないところでミスがあるのも気になるといえば気になる。やや聴き疲れするタイプ。
63. Dmitrity ONYSHCHENKO
西村朗:白昼夢 Chopin: ノクターン第13番 Scriabin: Op.42-5 Chopin: Op.25-11 Chopin: マズルカOp.17-4 Liszt: スペイン狂詩曲1次では愛のない演奏で私の中の評価を大いに下げたOnyshchenkoである。
61. Silvan NEGRUTIU
西村朗:白昼夢 Schubert: ピアノソナタ第14番 Scriabin: Op.8-12 Chopin: Op.10-12Schubertはこの曲の肝とも言うべき音がとても充実。 (1次でも音はよかったが。) 好きな曲なだけに十二分に楽しめた。 Scriabinも昨日のDumontにはなかった深々とした響きが気持ちよい。 と思ったら中間部で派手なミス、というか崩れかけた。最後にもミスがありこれは痛い。 Chopinは速めのテンポでそんなに悪くないが、右和音は昨日のJae-Won Moonの方がきれいだったか。
7. CHANG Sung
西村朗:白昼夢 Chopin: Op.10-1,2,3,4,5,8 Scriabin: Op.8-12 Liszt: スペイン狂詩曲1次ではかなりのテクニシャンと思わせた男性である。
32. 加藤大樹
Chopin: Op.10-7 Bartok: Op.18-2 Mendelssohn: 厳格な変奏曲 西村朗:白昼夢 Saint=Saens/Liszt: 死の舞踏Chopinは悪くはないがやや直線的。もう少し細やかな表情というか精妙さがあるとよい。 Bartokはあまり聴かない曲だが悪くはなさそう。 次のMendelssohnが少し問題だったか。 指回りはよいのだけど音色の変化に乏しいせいか、変奏ごとの性格の違いがあまり出てこない感じ。 端的に言えば表現力ということになると思うが。 その点Lisztは彼向きの曲。輝かしい、上に飽和しないフォルテが気持ちよく響く。メカニックも十分。
51. Fatimant MERDANOVA
西村朗:白昼夢 Chopin: Op.10-4 Liszt: 超絶技巧練習曲第10番 Brahms: ピアノソナタ第2番Chopnの10-4はChan Sungに劣らず速い。しかも弾けてる。最初ちょっとテンポが走る感じがあったがすぐに修正。 Lisztも冒頭音型をもう少しクリアにしたい気もするが、1次で聴いた演奏のことを思えば上出来。 Brahmsも力の入った熱演。冒頭和音を聴いてこれはやりそうだと思ったが、期待通り。 女性ながら音が重厚で力強いのが魅力。1次での印象をさらに良くする第2ステージの出来であった。
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というわけで2次の2日目を終了。今日よかったと思ったのは
10. CHO Seong-Jin 63. Dmitriy ONYSHCHENKO 7. CHANG Sung 32. 加藤大樹 51. Fatimat MERDANOVAあたり。この中で差をつけるとすれば、Chang Sungが頭1つ抜け出し、加藤君がちょっと下がるというところか。 そのほかNegrutiuもSchubertは非常によかったし、昨日と違って今日は充実してした。